In order to brush up our debating skills, not only practicing round many times, but also searching many kinds of issues is significant.
UTDS’s honorable debaters introduce a lot of books that will definitely help you polish up your debating skills!
・Books recommended by Akira Kato
大分類 | 中分類 | 本 | コメント |
知識 | IR | 飯田敬輔(2007)『国際政治経済』東京大学出版会 | 国際政治経済の全体像を分かりやすく纏めている一冊。理論と事例をバランスよくまとめており、IRの初心者にとっても読みやすい。 |
知識 | Law | 伊藤真(2007)『憲法の力』集英社 | 多くのPolicy Debateの根幹にあるのは憲法である以上、ディベート初心者としても抑えておきたい一冊。文体も丁寧であり、すらすら頭に入ってくる。 |
知識 | Philosophy | ジェレミー・スタンルーム(2014)『世界を変えた50の哲学』原書房 | いわゆるPrincipleを立てるときに非常に有益になる本。著名な哲学者・思想家と、そのエッセンスを分かりやすく纏めているため、哲学に抵抗感がある人にとってもお勧め。 |
知識 | Law | 山口厚(2008)『刑法入門』岩波新書 | 刑法の基本的な考え方をコンパクトに纏めた一冊。多くのモーションへの汎用性が高いCriminal Justice Systemは必ず得意分野にしておきたい。 |
知識 | Politics | 川出良枝・谷口将紀(2012)『政治学』東京大学出版会 | 政治学の基本コンセプトがまとまっている一冊。選挙制度や政党など、ディベートでもよく出てくる話はしっかり抑えられている。抽象論だけではなく、具体論まである。 |
英語 | Vocabulary | 神部孝(2006)『TOEFLテスト英単語3800』旺文社 | TOEFLの英単語をレベル別に分類している。Rank 3まで確実に理解できていると国際大会でも困らないレベルになるのではないか。 |
思考方法 | Logical Thinking | 東大ケーススタディ研究会(2010)『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』東洋経済新報社 | コンサルティングの採用プロセスとして用いられる「ケース面接」の対策本だが、その背後にあるロジカルシンキングはディベートに応用できる部分が多い。特に、紹介されているフレームワークはArgumentの発想にも有益。 |
大分類 | 中分類 | 本 | コメント |
知識 | IR | 田中明彦(2003)『新しい中世』日経ビジネス人文庫 | 混沌として見える世界を三つの圏域に分け、それぞれの特徴を解説。これでフレームを習得し、日々のニュースを追えば国際情勢が比較的クリアに見えてくるはず。 |
知識 | IR | モーゲンソー著 原彬久訳(2013) 『国際政治 権力と平和』 岩波文庫 | リアリズム古典の代表。政治学徒でなくとも「リアリズム」といった言葉は耳にすると思うが、これを読めば思想の原則が読み取れる。 |
知識 | IR | ジョセフナイジュニア著 田中明彦訳(2013)『国際紛争 理論と歴史』原書房 | リベラリズムの論客ジョセフナイが執筆した国際政治学の教科書。量が多いが読みやすく、一冊持っておくと何かと便利。ソフトパワーといった、ナイの理論についても詳しい。 |
知識 | IR/media | 高木徹(2005) 『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』 講談社文庫 | メディアと紛争の関係に焦点を当てた、緻密な取材に基づくルポルタージュ。ボスニア紛争過程で「民族浄化」といったスローガンや「虐殺者」等の印象が、明確な意志と戦略にもと作り出された過程を描き出す。 |
知識 | IR | RobertKaplan(2014) “Asia’s Cauldron: The South China Sa and the End of a Stable Pacific” Random House(邦訳版:奥山信司訳(2014)『南シナ海 中国海洋覇権の野望』 講談社 | 著名なジャーナリスト、ロバートカプランによる南シナ海分析。ひとくくりにされがちなASEAN諸国の、台頭する中国に対する反応や戦略を個別に分析。戦略拠点としての地理性、複雑な宗教分布等を鮮やかに照らし出す。東南アジアの大会などに備えるには良いかも。 |
知識 | Economy | ダニエルヤーギン著 伏見威蕃訳(2015)『探求 エネルギーの世紀』普及版 上下 日本経済新聞出版社 | エネルギー問題の世界的権威ダニエルヤーギンによる、石油時代の始まりから現代の再生可能エネルギーまで、ほとんどエネルギーに関する全ての事象を網羅した力作。テクノロジーと政治経済への確かな理解、業界の圧倒的人脈が編み出す知識の宝庫。 |
知識 | Economy | 諸富徹編著(2015) 『電力システム改革と再生可能エネルギー』日本評論社 | 再生可能エネルギーに焦点を当て、学術的、客観的観点から、その普及に際しての課題、解決策について考察。バズワードが跋扈し正確な理解が難しいこの新規領域を理解する上で、かなり有用。 |
知識 | Economy/Politics | スティーブコール著 森義雅訳(2014)『石油の帝国 エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー』ダイヤモンド社 | スーパーメジャーエクソンモービル社の事業展開について詳説した本。典型的多国籍企業である同社が、途上国の独裁者と渡り合う姿は、政治的、法律的観点から見て非常に興味深い。イラスト材料の宝庫。 |
知識(付録) | Economy | BP社 BP Energy Outlook | エネルギー大BPが発行するエネルギー展望の報告書。先述のダニエルヤーギンの著作と合わせて見ると理解が深まる。 |
知識(付録) | Economy | エクソンモービル社 The Outlook | エクソンモービル社の報告書。こちらも参考までに。 |
報告書リンク
BP
エクソン
http://corporate.exxonmobil.com/en/energy/energy-outlook?sf20243103=1
Brief summery of each book
・国際政治系
①田中明彦 『新しい中世』 日経ビジネス人文庫
[内容]
現代社会を三つのグループに分け、それぞれの領域における基本原則を整理することで、国際情勢を読み解きやすくしてくれる。グループの概要は、経済の相互依存、思想・価値観の連帯等に立脚する第一圏域、19世紀帝国主義時代的な、ナショナリズムや地政学的利害関係から導かれる国益を重視する第二圏域(近代圏)、そして(少し前の)ソマリアに代表される、国家機能が失われカオスが蔓延する第三圏域(破綻国家)の三つ。ちなみに、日本の置かれた状況は「原則的には第一圏域にありながら、第二圏域に属する近隣諸国からの挑戦を受けている」と分析している。
②モーゲンソー 『国際政治』 岩波文庫
[内容]
国際政治における道義、規範がむき出しの権力闘争を制御してきた側面について認める一方で、それらの欠点を歴史的事実から指摘し、やはり政治は権力闘争であるとの原点に立ち返り、平和を実現するには巧妙な外交が必要であると結論づける。
戦間期に主流であったユートピアニズムに対する批判、反省から展開されたリアリズムはEHカーらによって流布されるようになったが、モーゲンソーとカーを比較するといくつかの差異が見られる。一つ目は著作のボリュームである。『危機の二十年』に対し『国際政治』は三倍近いボリュームを有し、内容の構成は似るものの国際法、国際道義、帝国主義等についてより詳細な分析を展開している。二つ目は、より重要であるが、結論において両者は異なるように思う。カーは平和の実現を、皮肉な事に大国による利益の放棄に求めた。一方モーゲンソーは外交を「調整による平和」と呼び、現実的に平和の可能性を考察した。この点、モーゲンソーは、いわば投げやりな結論に飛びついたカーに対しより現実的な可能性を提起したと言えよう。
③高木徹 『戦争広告代理店』 講談社文庫
[内容]
「戦争とメディア」を巡る問題を深く掘り下げた著作。バルカンのボスニア紛争を題材に、国際社会からの指示が得られず苦戦するボスニアが、ワシントンの有力PR会社(広告会社)を起用し巧みな宣伝を実行、敵対するセルビアを「世紀の悪役」に仕立て上げ、アメリカ世論、ひいては国際社会を味方にし、紛争の趨勢を決していく様を如実に描き出す。非常に読みやすく、面白いので、かなりおすすめ。
④Robert Kaplan “Asia’s Cauldron” Random House
(邦訳版:『南シナ海 中国海洋覇権の野望』 講談社
[内容]
地政学的分析(地理関係に強い焦点を当て政治力学を考察する)に定評のあるジャーナリスト・アナリストであるロバートカプランによる書籍。南シナ海における中国の台頭と、シンガポールやベトナム、フィリピンのキープレイヤーの反応を、その歴史に立ち返りながらまとめている。一枚岩にされがちな東南アジアをしっかり分析している点で有益。
・エネルギー、環境系
⑤ダニエルヤーギン『探求 エネルギーの世紀』普及版 上下 日本経済新聞出版社
[内容]
エネルギーの古典的名著『石油の世紀』の続編的位置づけ。石油時代の始まりから、イーロンマスクの「テスラ モデルS」まで、エネルギーに関わるほとんどあらゆる事象について網羅している。イデオロギー論争になりがちなエネルギー政策の論点を整理する上で極めて有益。ピュリッツァー賞受賞作家であるだけのドラマティックな文章と、業界権威ならではの圧倒的情報量と分析力を遺憾なく発揮したこの著作が、上下合わせて3000円というのは驚きとしか言いようが無い。
⑥諸富徹 『電力システム改革と再生可能エネルギー』日本評論社
[内容]
「再生可能エネルギーの普及に際しての課題分析」をテーマとして、様々な学術論文を整理した書籍。主に電力問題、とりわけ電力システム(集中型、分散型)、電力制度(再エネのFIT、「容量市場」の実現可能性等)、技術面の展望と課題などに焦点を当てた最新研究を掲載。全体として、「再エネを普及すべし」という思想が見られるものの、最後の論文は数学モデルを駆使して現行電力モデルは早晩破綻すると指摘してしまうなど、批判にオープンな姿勢が好感触。難しいが、この手のモーションで圧倒的分析を披露したいなら一読の価値あり。
⑦スティーブコール『石油の帝国 エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー』 ダイヤモンド社
[内容]
言わずと知れた最強の石油メジャー、エクソンモービル社に焦点を当て、同社の経営哲学から事業戦略、政府との関係性、世界各国での事業展開の様子を鮮やかに照らし出す。いわゆる典型的多国籍企業の代表である同社が、ベネズエラや赤道ギニア、チャドといった国々の権力者といかに渡り合ってきたのかについては、政治・法律的観点から知的好奇心を大いに刺激する。「国際私法」や「国際仲裁裁判」等の問題も絡むので、そういうのが好きな人も満足できるはず。
・おまけ
⑧エクソンモービル社 The Outlook
http://corporate.exxonmobil.com/en/energy/energy-outlook?sf20243103=1
[内容]
エクソンモービルが総力を上げて作成した、エネルギー情勢の展望。エネルギー消費動向(省エネや動力電化etc)、化石燃料生産動向(シェール革命etc)、各国の政策、様々な変数を詳細に分析。英文でそれなりの量だが、豊富なグラフやチャートだけでも参考になる。
⑨BP社 BP Energy Outlook
[内容]
エクソンレポートに似てるが、不確実性を三つのシナリオに集約し考察している点が興味深い。具体的には、世界経済の成長減速シナリオ、再生可能エネルギーへの移行モメンタムが強化されるシナリオ、シェール革命が持続するシナリオである。こちらもグラフが豊富で面白いので、そこだけ見ても有益でしょう。
大分類 | 中分類 | 本 | コメント |
知識 | Philosophy | Justice: What’s the Right Thing to do? | Utlilitarianism, Libertarianismなど、様々な政治哲学上の立場がわかりやすく説明されている。読んでおくと、自分がどういう立場から物事を評価しているのか、どのような立場の取り方があるのかなどが分かり、様々なdebateで何かと役立つ。 |
知識 | Development | なぜ貧しい国はなくならないのか | どのように後進国が発展するか、様々なケーススタディに基づいて一般論が書いてあり、economic developmentに対してイメージが湧く。Development系のmotion全くわからん、って人はひとまずこの本から読んでみるといいのでは。 |
知識 | Politics, Development | The Future of Freedom: Illiberal Democracy at Home and Abroad | 民主主義がどうすれば定着するのか、民主主義がもたらすハームなどについて、様々な事例に基づいて書かれている。民主主義に反対するのは結構難しいが、この本を読んでおくとかなり戦いやすくなる。 |
知識 | Free Speech | ヘイトスピーチとは何か | ヘイトスピーチについて主に書いてあるが、表現の自由とアイデンティティーについて議論するのが苦手な人全般におすすめ。 |
知識 | Development | Bad Samaritans: The Myth of Free Trade and the Secret History of Capitalism | 一見反対しにくい、IMFや自由貿易に対して、様々な事例をもとに反対する論を展開している一冊。開発経済、特にaidやtrade policyがよく分からない人におすすめ。 |
知識 | Economy | 貧困大国アメリカ(シリーズ) | 「行き過ぎた資本主義により、貧困層が搾取されて富裕層だけが豊かな生活を享受できる国」というアメリカ像を描き出しているシリーズ。資本主義、市場経済という、一見良さげな概念に対して反対するための材料をたくさん得られる。知らない人からするとかなり衝撃的な内容。 |
知識 | Criminal Justice | 刑法入門 | 刑法における根本的な考え方、パラダイム(First principle的な)について説明してある一冊。この本を背景知識として持っておくと、刑法のmotionが出たときに自分と相手の立場が理解しやすい。 |
知識 | Criminal Justice | Criminal Justice: A very short introduction | こちらはより刑法の理論というより、実際の制度や仕組みについて多く書かれている。「刑法入門」と合わせて読むと良いのでは。 |
知識 | Medicine | Medical Law: A very short introduction | 医療倫理に関するディベートで使えそうな考え方、アナロジー、exampleが書かれている一冊。Doctors should的なmotionを得意分野にしたい人に特におすすめ。 |
知識 | Discrimination | Racism: A very short introduction | 人種差別なんてそんな難しくないと思っているもしれないが、いかに人種差別が複雑な問題か、そして私たちがいかにそれを正しく認識していないかを教えてくれる一冊。人種や差別に関する論題に今後遭遇しないことはおそらくないので、一読しておくことをおすすめする。 |
知識 | Economy | マンキュー入門経済学 | 経済学の有名な教科書。この一冊を勉強しておくだけで、多くの経済のディベートに対応できる。経済学の理論は応用の幅が広い(choice、政府の政策といったことと深く結びついているので)ため、前半を読むだけでも結構役に立つと思われる。 |